「バガボンド」は弱さを描いた漫画

「バガボンド」はバスケ漫画で有名な井上雄彦が書いた、宮本武蔵の生涯を描かれた漫画です。
この漫画に初めて出会ったのは漫画喫茶に行ったときにタイトルが面白いので読み始めたのがきっかけでした。

すると画風の細かさや、登場人物たちの魅力などに惹かれて、1日の内で全巻を読破し、家に帰ってからも全巻を買い揃えるというぐらいハマりました。
宮本武蔵と言えば、天下無双でバッタバッタと敵を薙ぎ倒し、向かうところ敵なし!というイメージがある方も多いかと思いますが、この漫画の中で描かれている武蔵は、とても人間らしい、別の言い方をすれば「弱さ」を抱えながら生きています。

武蔵が強くなろうと思ったきっかけは武蔵の父、新免無二斎(しんめん むにさい)という武蔵が子供の頃は天下無双で呼ばれた男の存在が大きかったのだと思います。
彼は対人戦闘などでは、とてつもない強さを発揮して、その名を広く知られるほどの者でしたが、家族や村の者との心の繋がりなどを一切見出すことはなく、「自分が強いことが何よりも大事」という価値観で生きています。

その愛の無さから妻は離れ、孤独に震える武蔵に手を差し伸べることもせず、その時に受けた孤独の傷より武蔵は「強くなろう」と決心します。
この漫画では「孤独」というものが色々と描かれています、武蔵と同じ村に生まれた又八(またはち)という男も、孤独と戦っています。

村に現れる道場破りや、武者修行の者たちを凄まじい強さで少年の頃から倒していく武蔵を村の者たちは「悪鬼」と呼び恐れるようになります。
同じように又八もそんな武蔵の強さを恐れつつも、憧れ、そして劣等感を感じ、自分自身の弱い部分から逃げ、強さを見せることに必死になる姿が描かれています。

僕はこの又八という人物がとても好きで、弱さから目を背け、自分を飾りながらも最終的には母の言葉で自分自身の中にある優しい自分を見出す又八に自分を重ねながら見てしまいます。
僕はこの漫画を通して弱さに向き合わない強さは無いと知ることが出来ました。